商人の街で起業
「商人の街大阪」、「商売の街大阪」と聞けば一見商売が楽な様に思いますね。しかし商売人の数が多いという事は、どの様な商売を始めるにしても同業者が多いという事です。以前テレビでアフガニスタンの首都カプールで、雑貨屋を営む中国商人が紹介されていました。当時のカプールの治安は乱れに乱れ、外国人でそんなところで商売をする者など誰もいない時期です。彼はテレビクルーの「何故こんな物騒な所に店を開くのだ?」という質問に対しこう答えました。「物騒だから同業者が来ない。だからうちの商品が売れるのだ」と。さすが世界に冠たる中国商人ですね。
大阪で起業するには競争が激しい事は覚悟しなければいけません。その代わり大阪にはよそ者を排除しようという風土は無く、大阪のお客さんはどこの出身者でも受け入れてくれます。その代わり商品を選ぶ目は日本一厳しく、本当に価値があるものでなければ見向きもしません。これは個人の消費者だけでなく、企業相手の商売をする場合でも同じです。その代わり本当に価値があると思えば、新参者からでも何のこだわりも無くわりに買ってくれます。よく大阪人は「東京もの」に対抗意識を持っていると言いますが、それはジャイアンツとタイガースの試合の時だけの話です。
大阪人はこと商売に関しては非常に合理的です。お聞きになった方もあると思いますが、昔、大阪の繊維問屋街で有名な船場の老舗では息子には店の跡をつがせず、奉公人の中から選んだ優秀な人物を娘と結婚させて跡継ぎにしました。これはたまたま老舗の長男に生まれたというだけのバカ息子に跡を継がせたらお店を潰しかねないので、お店を子孫の代まで発展させる為に考え出されたシステムですね。この逸話に代表される様に大阪は商売に関してはそれが例え身内であってもシビアですから、大阪で起業する場合は承知しておく必要があります。
大阪の商売は自分の意思をはっきり伝えるのが特徴で、商売に関して曖昧な事は嫌います。ですから大阪で起業する場合は自分の事業に込める思いを、はっきり表面に出す事が大事です。これは日常の接客や商談に際しても同じで、例えば「これはして欲しくない」という事はそれをはっきり伝えます。いわゆる「あうんの呼吸」などという事は大阪では通用しません。又、大阪では見分不相応な見栄を張る事はバカにされるだけです。ですから起業に際しては余分なところにお金を掛けず、その様なお金は商売に実質的につながる部分に使います。